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特別講演

今がチャンス、「保健医療2035」の中での口腔科学・口腔医療を展開する

演者 片倉 朗 教授

​(日本口腔科学会理事長 / 東京歯科大学 口腔病態外科学講座 教授)

 

 

 現在の日本における医療政策では、健康寿命の延伸が医療・介護に関わる全ての分野に対して共通した課題です。さらに医療費の適正化、産学官の連携による医療の成長産業化へ貢献も求められている時代になっています。これらを包括する形で厚生労働省は「保健医療2035」を展開しています。「保健医療2035」は、「保健医療の価値を高める」、「主体的選択を社会で支える」、「日本が世界の保健医療を牽引する」を実現すべき展望として掲げています。日本医学会連合の分科会である本学会はこのビジョンに応えるべく、社会・医学・医療ニーズを見極めて口腔医療を展開し推進する運営方針が必要です。
 引き続き本学会の存在意義や独自性を国民と医療者全般に強調できる活動を以下のように展開してまいります

 

1. 口腔に関連するあらゆる診療・研究分野がシームレスに活動できる学会運営
医学会の中での口腔科学の存在価値を若手の歯科医師・医師・研究者に情宣する機会を積極的に設け、また広い学問分野から学術集会・6地方部会の学術集会への参加を促す方略の構築を進めます。引き続き、歯科基礎分野、保存・補綴分野、育成歯学分野等からの評議員の就任を推進します。また、歯科衛生士・歯学部学生なども学会に参加できる仕組みを作ります。学術集会や地方部会での教育研修会やセミナーはオンデマンドで恒常的に視聴できるシステムの構築も検討中です。

 

2. 医学に向けた積極的な情報発信と意見交換、疾患治療の診療連携の推進
この2年間、掌蹠膿胞症患者の診療連携について皮膚科学会・脊椎関節炎学会との意見交換の多くの機会を持ってきました。その成果として口腔内科学会と共同で行っているワーキングループから「掌蹠膿胞症の歯科診療の手引き」を9月に発刊します。

 

3. 口腔科専門医の制度化への努力を継続
本学会の認定医制度の整備が進み、多くの認定医と指導医が登録されています。その先の目標は日本専門医機構における「口腔科専門医」の認定です。今後も法律の専門家にも協力いただいて日本専門医機構との交渉を継続的に行い、口腔医療に関わる歯科医師と医師が取得可能な口腔科専門医の制度化を目指します。

 

4. 会員マイページ導入による利便性の充実
学会HPの改訂を行って会員の利便性の向上を図ってきました。今年は会員のマイページの導入が実現に至り、会費の納入状況や研修単位の取得状況などを御自身で確認できるようになりました。

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1985年 東京歯科大学卒業
1991年 東京歯科大学大学院修了(歯学博士)

2003年~2004年 UCLA Comprehensive Cancer Center・Oral Biologyに留学
2011年4月 東京歯科大学 オーラルメディシン・口腔外科学講座 主任教授
2015年4月 東京歯科大学 口腔病態外科学講座 主任教授、口腔外科部長
2019年6月 東京歯科大学水道橋病院 病院長
2022年6月 東京歯科大学 副学長、千葉歯科医療センター長
2025年6月 東京歯科大学 学長
(NPO)日本口腔科学会 理事長・指導医
(公)日本口腔外科学会 理事・指導医
(公)日本老年歯科医学会 副理事長・指導医   他

 

略歴

第 72 回日本口腔科学会中国・四国地方部会 大会事務局

〒 791-0295 愛媛県東温市志津川 454

​愛媛大学医学部口腔顎顔面外科学講座

TEL: 089-960-5393

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